日光 外山沢川・緑沢
2003/07/07
L.丹野、江連、桜井、佐藤(敦)

□9月7日(日) 晴れ

□コースタイム

赤沼茶屋5:30〜バス〜弓張峠5:45〜緑沢出合い7:00〜緑滝8:00〜稜線10:10〜
前白根10:20〜天狗平11:40〜13:10湯元

□記録
 丹野さんに緑沢に行かないかと誘われた。緑沢?聞いたことがないけれど、名前が良い響きだ。場所は日光と聞いて、「行く」と返事をする。日光は私の好きな山域である。
 6日の土曜日、車に皆を乗せ、東北自動車道を走る。車の中は女性だけ。穏やかで落ち着いた雰囲気の中にも、女性だけの気楽さ、楽しさがある。
 戦場ケ原の赤沼茶屋付近にテントを張る。明日の晴天を約束してくれるような夕焼けの中、男体山が青々しいシルエットを見せてくれる。丹野さんお手製のマーボ茄子を食べながら、お酒を飲む。あぁ何たる幸せ!
 当初は、赤沼茶屋から歩くつもりでいたのだが、低公害バスが小田代原や西の湖周辺を走っていることを知り、5:30発のバスを利用する。お蔭で1時間の短縮ができた。驚いたことには、早朝からカメラ愛好家が続々と押し寄せ、このバスに乗りこむ。小田代原に立派な三脚とカメラを掲げ、シャッターチャンスを狙っているのであった。
 弓張峠を降りると、カメラマン達の喧騒の世界は嘘のように、4人だけの静寂な世界に戻る。緑沢出合いまでの1時間は、ゴーロ歩き。両岸のたくさんの花がきれい。鹿がピーピー鳴くので、私もホイッスルをピーピー鳴らすと鹿がそれに応えてくれるのが楽しい。
 出合いからすぐゴルジュが始まり、苔むした谷を流れおちる滝が美しい。しかしそれは本流ではなく、左岸にかかる25mのナメ滝が本流だ。その滝を右岸より高巻く。すぐにまた、20mナメ滝。右壁を登る。ホールドスタンスが豊富で易しい。
 その後も眩しいくらいのナメが続き、緑滝が現れる。2段40mあり、船形 笹木沢の鎧滝のコンパクト版を思わせるような滝。ルートは、右のスラブ壁を登るか、水流を登るか、左の溝を登るかの3通り。丹野さんは右壁を登る。ちょっとトラバースがこわそうなので、私、桜井さん、江連さんはホールドスタンスのある水流通しに登る。水が冷たく、手がかじかむ。途中、高度感が出てきて、私は蝉になるが、落ち着いて左側を見ると、足場がしっかりして斜度も緩んでいるので、左側に移り、なんとか登り終えた。ここで怪我をしたら、皆に大迷惑だと思うと、非常に緊張した。
 難場を抜けると、水も枯れ初め、その後もまったく水は出てこなく、枯れ小滝を越えていくと、真っ青な空に両岸のダケカンバとたくさんの花々が美しい。爽やかで明るい沢だ。皆、嬉しくなって、つい、声が弾む。振り返ると、遠くに中禅寺湖が見える。
 詰めは、ヤブ漕ぎゼロのダケカンバ林の中を抜けると登山道に出た。最後まで爽やかな沢だ。ふと、気づくとさっき見たのと違って、葉が黄色く紅葉し始めている。早くも秋の訪れを感じた。
 外山沢を降りるか、前白根山を登るか、皆で協議する。リーダー丹野さんは、沢を降りたそうである。沢を降りるとまた、あの1時間のゴーロ歩きが待っていると思うと、前白根山までの稜線歩きに自然に気持ちが向いた。
 奥白根山には、過去、紅葉の時と真冬に二度来ている。季節の違った時期に同じ山を登り、違った表情を見られるのは、実に楽しいものだ。冬に立っていられない程の強風が吹いてた前白根山は、こんな季節でも風が強い。前白根から見る奥白根山は堂々たる風格であった。コバルトブルーに輝く五色沼も美しい。
 外山からの急坂を下り、1時間半で湯元に降りた。湯元には、足をお湯につけられる「あんよのお風呂」がある。(無料)バスを待つ間、足を温泉につけて、疲れをとった。
 この沢は見せ場がコンパクトにまとまっており、実にきれいな易しい沢である。女性だけの山行は、女だけの気楽な楽しさがある。ただ、怪我やルート間違いをしないよう緊張したが、なんとかノーザイルで遡行できたのが嬉しい。
(佐藤(敦)記)