奥鬼怒・鬼怒川赤岩沢
赤岩沢遡行、日光沢下降
2003/08/02-03
佐藤英明(L)、牧野総治郎、高橋あゆみ、岡田務

8月2日(土) 晴れ〜曇り〜ガス 

08:00女夫淵温泉〜09:20赤岩沢出会い〜15:00黒沼湿原(幕営)

 女夫淵温泉に車を置き、赤岩沢の出合まで林道を歩く。駐車場には、ハイカーがいっぱいいたが沢ヤはいなさそうだった。
 出合は広い河原となっていて、赤岩沢には巨大な堰堤がかかっている。水はほとんど伏流水となっているようだった。堰堤を左岸から巻き、懸垂下降で降りる。堰堤に溜まった水がかき氷のメロンシロップの様に澄んだ緑色をしていた。
 堰堤からは荒れ模様で水もほとんどない。それでもゴロタを乗り越えて歩いていくと、次第にナメや小滝が現れてきた。
 いくつかの小滝を越えて、下の大滝が現れる。途中のテラスまでロープなしで上り、そこから英明さんにフィクスを張ってもらう。高橋さんと岡田は右壁を登り、牧野さんは流れの中を登ったらしい。右壁は、ぬるぬるして気持ち悪いが、リードではないので安心して登れた。ここをリードして残置を見つけて支点を取っていった英明さんはすごいと思った。
 大滝から上はまたゴーロとなり、ボサも多くなってきた。
 上の大滝は、下段は右岸の草付きからまき、上段の階段状になった部分だけ登る。
ここも英明さんリードで越える。結構シャワーになって、日もかげっていたので寒くなった。
 時間も1時を回っていたので、テン場を探しながら歩く。しかしなかなか見つからず、ちょうど見つけた湧き水を汲んで、
縦走路まで行くことに決めた矢先、湧き水からものの数分というところで素晴らしく平坦な場所に出た。樺と落葉松(?)の樹林で下草は全くなく、非常に快適な場所だった。
 ここにテントを張り、高橋シェフのワンタンやゴーヤチャンプルーやうな玉丼を食し、飲みながら焚き火に火をつくのを待つ。夕刻になるとぶよがわいてブンブンいったが、日が暮れると快適な夜に。なかなか煮え切らなかった焚き火もとうとう大焚き火となり、牧野さんの一芸を楽しみつつ床につく。        (岡田記)

8月3日(日) 晴れ

06:00黒沼湿原〜09:00鬼怒沼山〜9:30鬼怒沼湿原〜11:00日光沢下降点〜15:00日光沢温泉と加仁湯の間〜
16:30女夫淵温泉

 3時半起床。昨晩の豪勢な焚き火はすっかりと消えていたが、岡田さんのわずかなお手入れで、火の勢いが盛り返す。食事の支度をしているうちに、空が明るんできた。    
 6時テン場発。30分の棘蕗のヤブ漕ぎで一人騒ぎながら、黒岩山頂の肩へ飛び出す。左手の、あまりはっきりしない登山道を奥鬼怒山へ向かう。途中、熊が樹皮をはがした痕、及びフレッシュな熊糞をいくつも発見した。奥鬼怒山のピークを一応タッチして、再び登山道へ戻り、程なく奥鬼怒湿原へ。9:30着。しばしお花畑の天国気分で、のんびりくつろぐハイカーに釣られて、こちらも和んだ。牧野さんは、お花畑もお好きなようで、このままどこかへ消えてしまいそうだった。
 再び来た道を15分ほど戻り、日光沢の下降を目指して、超激しい笹(竹?)藪に11:00いざ突入。めちゃくちゃ大変、しかも超暑い。岡田さんは得意の分野のようで、背中が弾んでいた。私は一人取り残されてしまい、笛を吹いてしまった。今回の山行で一番の核心で、わずかな水流を見たときは、生き返る気がした。
 奥鬼怒大滝は上段を懸垂、下段は右岸を巻き下り。さすが、牧野さんはクライムダウン。ここらあたりで左岸につけられた登山道に出るが、またまたほとんど廃道で、ところどころふみ跡や、木につけれた目印を見つけるが、ルートをはずして鹿道ルンゼを下降する羽目になった。とうとう逆層スラブで行き詰まったところに、本物の鹿がじっとこちらを見ていた。懸垂一回で、沢音が直近に聞こえたので、適当に藪を漕いで鬼怒川本流に15:00に降り立つ。
 観光客の視線を浴びながら、汚い我らは加仁湯八丁の湯を通り過ぎ女夫淵温泉へ一路歩くのでした。16:30女夫淵温泉駐車場着。昨晩泊まった上人一休の湯(500円)に入り、帰京する。   (高橋記)