南八甲田・黄瀬川

2002年10月12-14日  メンバー:L高山友雄(記)、横山均、楢見舘三千枝、牧野総治郎、松崎洋子、鈴木淳生


10月12日(快晴)

 前夜、夜行バスと臨時寝台列車に分かれて出発し、朝青森駅にて合流。駅近くのの市場にて朝食後、十和田湖行きのバスに乗り込む。紫明池BSにて下車し車道を少し歩いてから黄瀬川林道に入る。すぐにゲートがあって車は入れない。黄瀬川は地図上で想像していたほどには水量は少ない。地元のきのこ採りの人に時々会う。2時間半強歩いて滝入口へ。ハイキングの団体さんが休憩していた。少し下ったところの滝上流部への下降点にザックをデポして「松見の滝」を見物してくる。日本百名瀑の一つとかで絵になる滝ではある。戻って沢に下降。踏み跡もあって簡単に下る。沢に出るとさっそくきのこさんの歓迎に会う。地元の人が言ってた「かくえ」(と、聞こえたが後で図鑑をみると「かっくい」と表記してあった。他の地方でボリとかサワモダシといっているいわゆるナラタケです)が大量に収穫できた。
 しばらく河原を行くと小ゴルジュとなって右岸をヘツリ。そして5m巾広滝に出る。牧野さん、釜の右手水線をへつって水流の右側を登りザイルを固定。以下後に続く。次は2m程しかない滝だが釜が深くて取り付けず左岸倒木のある溝から巻く。トラロープが固定してあった。再び河原状になる。沢自体まだ2時間ほどしか歩いていないが夕暮れ近くになってしまったので右岸からの枝沢の出合いで格好のテン場にて泊まる。先行していた2人パーティもすぐ先でテントを張っていた。焚き火、きのこ(ナラタケ、ナメコ)鍋。

(コースタイム 黄瀬川林道入口10:30 松見滝入口12:50 松見滝13:15〜30 滝上流14:20 右岸枝沢出合16:20)

10月13日(快晴)

 しばらく河原歩きの後、5m滝。ここはまた牧野さんが右岸側の草と落ち葉の岩を落口まで登ってザイルを固定して後続。次の小滝を過ぎて長根沢を見送ると開けたゴルジュとなる。浅い瀞もあるが水流近くにスタンスがあって気持ちよく通過できる。このあたり地図ではずーっとゴルジュ記号であるが実際はナメと易しいヘツリ、ゴーロが断続し気分のいいところ。柱状の節理や大スラブが広がるところもある。大岩のある赤い大ナメを過ぎるとゴーロが目立つようになり詰めの様相。
 倒木の掛かった小滝で出合う薮っぽい沢から空身で黄瀬沼を往復する。人のいない静かな沼と黄色い湿原が広がっていた。
 戻って更に詰めのゴーロをテン場を探しながら進み左沢、右沢を過ぎて左岸に草の台地があったので少し湿っていたが幕営。皆で薪をかき集めて執念の焚き火。やっぱり火があると気分が違う。

(コースタイム 出発7:50 長根沢9:00 赤い大ナメ11:20 黄瀬沼分岐枝沢出合13:40〜45 黄瀬沼14:15〜30 黄瀬沼枝沢分岐14:50〜13:10 左沢出合15:30 テント16:00)

10月14日(曇り後晴れ)

 30分強ゴーロを歩くと、小さな二俣となって左は1m程の小滝となっている。GPSもほとんど登山道に来ていることを示しているので、左の小滝を上がるとすぐに道が横断していた。左へ行くと広場になっていて2張りテントも張られていた。
 駒ヶ峯、猿倉岳を経ての下山はところどころきれいな湿原を通っていくが、えぐれた溝状の道は滑りやすい。沢に降りたところで汚れを落としたり靴を履き替えて猿倉温泉へ。以前に来た時より改装してやけにモダンになっていたが温泉は素晴らしく気持ちが良かった(500円)。再び青森までバス、そして特急、新幹線と乗り継いでの帰京はさすがに遠かった。
 大滝も圧倒されるようなゴルジュもないけれど、黄葉に包まれた黄瀬川は心休まる沢旅と言えるものでした。
 最後に、この山行を計画するにあたりHPの記録を参考にするとともに松見の滝へのアプローチについての質問に答えていただいた「グループ沢胡桃」の方々にこの場を借りてお礼申しあげます。

(コースタイム 出発7:30 登山道8:15〜40 駒ヶ峯9:05 猿倉岳9:50 沢11:30 猿倉温泉11:45 バス発13:18)