−北緯40度線走破の記録−
2007 佐藤(勇).

 呼びかけ翌月から一年半、入道崎から黒崎まで10泊14日の4回に分け、延べ32名が参加、約300kmを歩き通しました。以下はその概要です。

第1回 05.5.3-6 阿仁合駅から入道崎 約100km
 ルート 阿仁合駅−姫ケ岳−南沢−赤倉山−高杉山−内川浅見内−入通−川代−
      鯉川駅−新生大橋−大潟村−申川−谷地−北浦−西黒沢−入道崎

 姫ケ岳には湯口内沢を遡行。南沢の不動羅集落へも沢を下りました。赤倉山、高杉山にも道はなかったものの、いずれの三山も山頂に朽ちかけた祠や石柱があり、最近まで信仰の山だったことが伺えます。鶯の囀りに囲まれた谷あいの道、代掻きの耕運機の単調な音が山の端にこだまするあぜ道、春祭りの囃子が聞こえる集落の土手。五月晴れの天候に恵まれた心の洗われるゆったりした旅でした。

第2回 05.8.13-16 阿仁合駅から安比高原駅 約70km
 ルート 阿仁合駅−阿仁スキー場−森吉山−奥森吉青少年屋外活動基地−(桃洞滝)−
      玉川温泉−後生掛温泉−八幡平−安比温泉−安比高原駅


 阿仁合駅から森吉山へ向かうグループ、阿仁マタギ駅から登り森吉山でタスキを繋いで?安比高原に向かうグループの連係プレイとなりました。
 豪雨のため粒沢遡行をあきらめ、赤水沢を遡行し、強酸性の玉川温泉で飛び上がり、後生掛温泉でマッタリし、八幡沼畔の快適な避難小屋と安比温泉の極楽の天風呂で癒され、真夏の日差しのなか安比高原の池とうに舞う昆虫の多さに狂喜して子供の昔に帰りました。

第3回 05.10.8-10 安比高原駅から九蔵坂集落 約60km
 ルート 安比高原駅−小松尾沢−高森開拓−寺沢−黒石温泉−細沢−御堂駅−横沢−
      道の駅くずまき高原−松ケ沢−丸瀬沢−九蔵坂集落

 紅葉の盛りが過ぎ、高森開拓までの数本の沢の横断藪漕ぎも少しばかり楽でした。黄金色に波打つ稲穂、コンバインの動き、田んぼのあぜ道は懐かしい枯れた稲の匂いがします。一転、葛巻高原牧場から東側は田んぼに代わって牧草地。次第に牛口?密度が多くなってきます。温泉の庭先にテントを張らせていただいたり、暖かい作業小屋を提供していただいたり、地元の人たちの善意に支えられた旅になりました。

第4回 06.5.3-5 九蔵坂集落から黒崎 約70km
 ルート 九蔵坂−大石−大滝−大沢−辰鼻−追鍋沢−突紫森−畑−大坂本−高屋敷−
      氷渡キャンプ場−川口−御沢峠−茂市−普代−大田名部−黒崎


 山越えのかすかに残る踏み跡は、50年前までは集落と集落を繋ぐ生活道路だったのかもしれません。幾度となくその道筋でカタクリ、福寿草の群落に出合いました。馬淵川沿いの平地には牧草が芽吹き始め、ヒバリが天空で囀っています。突紫森の尾根筋は藪とはいえ、名残の雪庇が回廊となって歩きやすく、遠く霞の中に、残雪が張り付いている牧場や、風力発電のプロペラが回っているのが見渡せます。大田名部集落手前の峠の切通しから感激の太平洋を望み、ついに北緯40度線を歩き通すことができました。